ボクシング独り言

語る相手がいないぼっちボクオタがボクサーやボクシングの試合について一人で語るブログです。

日本のインテリジェンスボクサー 井岡一翔 

今回語るボクサーは日本史上初の4階級制王者、井岡一翔選手について語ろうかと思います。この選手はオフェンス面を重視している日本人ボクサーの中でもかなり異質な対応なボクサーです。オフェンシブというよりディフェンジブでなおかつほとんど強振をさずに小さく軽くパンチを打ちます。そのためか相手のパンチを無駄にもらわずに有効打を奪うことでRを確実に奪える能力もあります。36分間の12Rに内にどれだけ相手よりもパンチを当てなおかつ効かせられるのかという考えで戦っているボクサーが多いですがこれとは井岡選手のマインドとしては全然違います。井岡選手は12R通してたとえ自分にダメージを与えない弱パンチでも極力もらわないように立ち回り、そのうえで明確に相手よりも多くのRをとれているかどうかでたたき方を変化することができる僕差です。そのためパンチ力が強く相手を高確率でKOできるとかパンチの交換が多く試合内容が派手で面白いというわかりやすいタイプではないんですよね。ただそれでも井岡選手がボクシング有識者の中でも井上選手に次いで日本での評価が高いのはこういう理由からだと思います。それでも過小評価気味なのが個人的には悲しいです。

 

VS八重樫東

日本でも有名な激闘王、八重樫選手とのミニマム級の王座統一戦です。お互い日本人世界チャンピオン同士の対決ということで注目度も高く激闘が予想されましたが、実際の試合展開は井岡選手が八重樫選手の良さをすべて消し去り試合をコントロールしきりました。中間距離で圧倒的に優位に立つ井岡選手に対し、八重樫選手としては持ち前のパワーを生かしてインファイトを仕掛けます。しかし簡単に近づかせないためにバックステップやジャブで八重樫選手の前進をせき止めます。媽祖のため八重樫選手は井岡選手のパンチを許容しての前進を強いられます。そしてやっとの思いでインファイトを仕掛けられた八重樫選手ですがそれをがっちりとしたガードで決して打ち合わない→隙を見てのボディとカウンターで有効打を奪う→からのフットワークで離脱という1連の流れで難なく突破。自分の得意な中間距離でがっつりポイントを稼ぎ、八重樫選手の得意な近距離ではリスクを排除し、最低限の反撃しかせずに無難にやり過ごす。このように自分の得意な距離と相手の戦いたい距離での調節加減と対応の変化はなかなかできないことだと思います。結果的に井岡選手の大差判定勝利となりましたが、両者の試合後の顔からみても井岡選手がどれだけ有効打を奪って、かつもらってないのかがよくわかる試合でした。あ、補足ですけど井岡選手は中間距離だけでなく近距離も強いです。

 

VSスタンプ・キャット二ワット

こちらはフライ級時代の王座統一戦です。この試合は井岡選手のボディの恐ろしさを見た試合です。相手のスタンプ選手は近距離で足を止めてパンチを強引に降ってくるボクサーです。また飛び込んで打ってくることで序盤に井岡選手からダウンも奪いました。どことなくカシメロ選手に似てますね。この相手に対し、井岡選手は顔ではなくボディにパンチを集めました。ダウンを奪い勢いよく詰めてくる相手に下手に下がらずかといってポイントを明確に奪い返すというわけでもなくボディを打ち続ける。井岡選手はおそらくこの勢いのまま後半に乗せるのが厄介だと思ったのでしょう。このことでスタンプ選手はみるみる前進が止まりとうとう井岡選手が得意の中間距離で戦えるようになります。それだけではなく後半にかけてポイントを奪う予定が度重なるボディによって途中でスタンプ選手が戦えなくなりました。どんな選手でもボディを打つのは体ががら空きになりやすく打ちにくいににここまで何発もボディを入れるタイミングと、上を打ちたい欲を抑えてのボディはまさに達人というべきものでした。実際のキャリアよりも多くの試合をしたかの零細さもありました。

井岡一翔の攻略法とは

ディフェンスが上手く、自分の得意な中間距離と近距離をよく理解していて12Rを通して試合の流れとポイントを考慮できる。パンチの破壊力がないという割れているがそれをデメリットと感じさせないぐらいの優秀な能力を持っている。ではこの選手を倒せ巣にはどうすればいいのか。それは過去の井岡選手の敗戦にあると思います。プロ16戦目に戦ったアムナット選手に井岡選手は1-2の惜敗で判定負けしています。完敗というほどではありませんが相手の強みを消し去る井岡選手が逆に強みを消された試合のように思えます。 アムナット選手はとにかくアウトボクサーに徹して自分からあまり手を出しませんでした。こういうたたき方をされると井岡選手としては自分から攻撃を仕掛けなければなりません。だからといってプレスをかけても当時の井岡選手ではそこまで負い足がないため下手に攻めるとカウンターをもらってしまいます。そのまま試合の流れを変えれずに試合が終わってしまいました。つまり自分の距離で戦えさせてもらえないアウトボクサーが井岡選手の攻略法としてなるでしょう。本人も自身のYouTube動画のインタビューにて苦手なタイプは前に出てこない選手と述べていました。また井岡選手はニエテス選手にも敗北してますがこの試合は井岡選手が得意の中間距離と近距離で上回れた試合です。明確に上回ったとは言いずらいものの井岡選手相手にあの距離で張り合える選手を初めて見たかもしれません。この方法をとれるのはスーパーフライ級でもロマゴン選手かエストラーダ選手ぐらいしか実行できないぐらい難しいものだとは思います。

 VSジェイビエール・シントロン

井岡選手の現時点での最新試合の対戦相手です。4階級を制覇しての次の試合でもあります。シントロン選手は戦前で江藤選手を倒した生粋のアウトボクサーです。上記で述べたアムナット戦と同じで井岡選手からすると天敵のような相手です。僕自身もこの試合はシントロン選手が勝ってもおかしくないと思ってました。ただこの試合の井岡選手は前の反省を生かすかのようなプレストインファイトを仕掛けました。本来のスタイルではないのですが、身長リーチで上回られているため被弾をしてでも積極的に前に出ます。最初の4Rはポイントをとられましたが、そこから後半はほぼすべてのRを取り返します。被弾と引き換えにずっと放っていたボディによってシントロン選手相手にインファイトで削り続けました。その結果、いつものより顔が腫れての勝利となりましたが判定では完勝です。というより被弾をしてでも詰めないと捕まえられないぐらいシントロン戦手は井岡選手にとって天敵だったと思います。ただこのようなファイター相手にもしっかりポイントアウトしたことは井岡選手がわかりやすく過去よりも進化していることの証明となった試合ですね。

 

今回は日本のボクサーの中でも唯一無二のスタイルをもつ井岡選手について語りました。井岡選手のファイトスタイルって万人向けするものではないと思いますが、僕は井岡選手のファイトスタイルは好きなので今後はこのスタイルでスーパーフライの強豪と渡り合うところを見たいと思います。