ボクシング独り言

語る相手がいないぼっちボクオタがボクサーやボクシングの試合について一人で語るブログです。

ボクシングの神に愛された巨人 タイソン・フューリーpart1

今回はイギリスマンチェスター出身のボクサー、タイソン・フューリー選手について語ろうと思います。この選手の特徴は何といっても身長206センチという巨体からとても速い動きができるという点です。これはシンプルでありながら強力な武器でもあります。またこれに加え高いボクシングテクニックと試合を支配する能力も持っています。正直現時点では弱点らしい弱点は見当たらないため現ヘビー級最強ではないのかという意見も多いです。それではフューリー選手のこれまでの主要な試合から彼のボクサーとしてのと優れた特徴を見ていきましょう。

 

実は世界初挑戦前のファイトスタイルは今とだいぶ違う?

タイソン・フューリー選手といえば巨体で素早くリング内を動きまくり相手をアウトボクシングしてしまうというところだと思います。ただ世界初挑戦となるクリチコ戦前までの試合を見てみると意外に自分から前に出てガードを固めてのファイタースタイルを使っています。これはある意味理にかなっていますよね。体重が無制限のヘビー級においてフューリー選手を超える体格を持つ選手はほとんどいません。仮にいたとしても彼と同等に素早く体を動かしたり動き続けるスタミナはありません。そのためガードを固めてインファイトを仕掛けたりするとそれだけで相手よりも優位に立てます。ただやはり今のスタイルに比べるとどうしても前に出る分打たれることも多く、スティーブン・カニンガム戦では派手なダウンを喫してしまいました。その後の見事な立て直しで勝利しましたがこの試合で自身のファイトスタイルを見直すきっかけとなったのでしょうか。ただフューリー選手は一見理にかなったこのファイトスタイルよりもさらに強力なファイトスタイルを生み出します。

 

フューリー、絶対王者クリチコを新スタイルで完封

この試合はフューリー選手選手にとってそれはいい意味でも悪い意味ででも転機となった試合です。ついに迎えた世界初挑戦、対戦相手は当時世界三団体を統一していたウラディミール・クリチコ戦手。確かにキャリアの最終期に差し掛かっていましたがそれでもフューリー選手にとっては厳しい試合が予想されました。クリチコ戦手のファイトスタイルは上記の初期フューリー選手に近しいものです。ただフューリー選手のように足を使ったり露骨にディフェンシブになることはなくプレスと長いリーチで一方的に殴り続けるというものです。このパターンに一度はまってしまったら相手は何もできずに削り続けられるというものです。そのためどうしても試合展開が一定にになってしまい日本のファンからは試合内容がつまらないといわれてしまうこともありました。クリチコ戦手のファイトスタイルは体格のでかさに依存するもので彼よりも大きい体格を持たずして攻略するのは容易ではありません。そのためもしかしたらこれだけ体格が大きいフューリー選手ならもしかしたら勝てるのでは?という期待もありました。実際は想定を超えていました。フューリー選手はクリチコ戦手相手にほとんどのクリーンヒットを許さずに完封して勝利しました。もちろんフューリー選手自身もアグレッシブに攻めたわけではなかったのですがそれでもクリチコ戦手がパンチをまともにあてたシーンが思い浮かびませんでした。この試合のフューリー選手は今までのスタイルを完全にアウトボクシングに変えていました。ただそれは単にジャブを出して近づいたらクリンチをするというスタイルにしか見えませんがからはあることをして試合自体をコントロールしていました。それは独特なリズム感です。試合を見た人だったら誰でもフューリー選手のフェイントをかける独特なリズムに気が付いたのではないでしょうか?ボクシングはリズム感がとても重要でただ相手のガードが空いた時にジャブを放つよりも相手のリズムを読み取って崩すタイミングで打つ方が入りやすいのです。井上尚弥選手がジャブのコツをテレビで説明した時に相手が呼吸したタイミングで打つと当たると述べていました。相手の呼吸を感じ取ったりするのもリズム感が優れているからです。フューリー選手はそれを常にフェイントで行い続け逆に相手のリズム感を損なわせパンチを打ちづらくしたのです。それが異様に少なかったクリチコ戦手の手数につながったのです。またクリンチの際にはしっかり相手にのしかかることで相手の体力を消耗させる。これも体格が優れているクリチコ戦手が逆にやられてしまいました。結果的に面白い試合とはなりませんでしたがフューリー選手の完勝となりました。ただしフューリー選手はこの試合後にリング外のトラブルで貴重な2年間を失ってしまいました。

 

奇跡の復活を果たしたキングがブロンズボマーを仕留めに行く

フューリー選手は前回のクリチコ戦後メンタルヘルス、薬物依存症、体重増量など様々な問題を抱えてボクサーを引退しました。まだ若く才能あふれる彼に対して多くの人が現役復帰を望みましたがこれだけの問題があり体重も一時期170キロまで達していたフューリー選手が戻ってくることはないだろうとみんなあきらめていました。しかし彼は戻ってきました。軌跡とも読んでもいい復活を果たしたフューリー選手はリングに上がり復帰2戦を勝利で納めます。そして次に挑むのが当時7度防衛していたヘビー級最強の一角、デオンティ・ワイルダー選手です。彼はたとえどんな相手でも右ストレートをあてKO勝利を続ける最強クラスのハードパンチャーです。純粋なボクシングテクニックでポイントを奪うというより12Rの打ちどこかで強打を当て試合をひっくり返します。相手からすると危険すぎる相手ですがフューリー選手はまだブランクがぬけっきてない状態でこの危険な相手に挑みます。確か前予想はフューリー選手圧倒的不利でした。試合展開としてはフューリー選手が序盤素晴らしい状態の動きと足を使ってワイルダー選手の強打をさばいていきます。またジャブもクリーンヒットしていてとてもいい出だそでした。また中盤以降に素晴らしいワンツーを入れワイルダー選手をぐらつかせます。前半でフューリー選手が試合をコントロールしていましたがそこでワイルダー選手のパンチがロープ際でヒットしフューリー選手がダウンを喫します。掠ったようにしか見えましたがダウンになりワイルダー選手は怖さを感じさせます。しかしフューリー選手は着てはいなかったと思うので何とか立て直し次のRからまたもやポイントを奪い返していきます。ここまでワイルダー選手のパンチが当たらいことに驚きを隠せない視聴者たち。僕も当たる気配がないなーと思ってみていましたが12R開始直後、ワイルダー選手の渾身の右ストレートとその返しフューリー選手に直撃!先ほどのダウンと違いもろに当たってしまい失神しているように見えるフューリー選手。ここまでポイントでは明らかリードしていましたが1発ですべてをひっくり返してしまう、ハードパンチャーの理不尽さを感じていたところなんとフューリー選手がむくりと起き上がってきました。そしてその後も何事がなかったようにステップが確認され試合は続行されます。信じられないという顔をしているワイルダー選手ですがそれでもチャンスだと思い攻めに行きます。しかしフューリー選手はそれを冷静にさばくとワイルダー選手を挑発しなんとカウンターをとります。逆に効かされたワイルダー選手に猛攻を仕掛けるフューリー選手。そのまま時間だけが過ぎ勝負は判定にゆだねられました。判定の結果は物議を醸すドローとなり二人の再選が組まれました。この試合は勿論フルラウンド面白かったですがそれ以上に12Rの濃密さがすごかったです。ただのダウンではなくあのワイルダー戦手のパンチをもろに食らっての復活。しかもそのあとにしっかりカウンターをとって逆襲するフューリー選手。またフューリー選手はこの試合で回復力の速さというものも示しました。打たれ強いというよりは回復の速さが異常です。ちなみに打たれ強いというのは相手のクリティカルのパンチを何発も当たっているのに倒れない選手のことです。フューリー選手の場合きれいなパンチが当たると倒れることもありますがその後足にダメージが残らずにすぐに立て直せます。リゴンドー選手も同じタイプですね。